コラム

株式は誰が保有するべきなのか?

2022年9月15日 事業承継

株式は経営権そのもの

非上場会社について言えば、実際に経営を行っている方が株式を保有することが望ましいとされています。
なぜなら、経営者が過半数の株式を保有していないと取締役を解任されるリスクがあり、安定的な経営を行っていくことができないからです。
もちろん、経営者によっては、ある程度株式が分散している方が緊張感をもって経営を行っていくことができるという方もいらっしゃるかと思いますが、どちらかというと少数意見かと思います。

株式が相続により分散するリスク

以下、一般的な事例で考えていきたいと思います。
社長(80歳)が会社を経営しており、全ての株式を保有しています。
また、社長には妻がおり、後継者である長男の他に次男、長女もいるものの、事業には全く関与していません。
このような場合に、社長の相続が発生するとします。
遺言書がないのであれば、法定相続人が遺産分割協議を行って相続手続きを行うことになりますが、長男以外の他の法定相続人が法定相続割合を主張した場合、長男は1/6の株式しか取得できないことになります(社長妻1/2、子1/6ずつ)。
そうすると、後継者である長男は、事業に関与していない母、弟、妹に重要な決議事項についてお伺いを立てる必要があり、安定的な経営を行っていくことが難しくなる可能性があります。
また、経営に関与していない他の法定相続人がお金に困ったので、会社に対して高値で買い取ってくれと言ってくるリスクもあります。よって、この会社の株式は実際に経営をしていくことになる長男に社長がお元気なうちに、適切なタイミングで集約することが望ましいのです。

遺言書があるから安心なのか

遺言書を書いているからうちは大丈夫だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、相続発生時に事業に関与していない法定相続人が遺言書の内容に不公平感を感じてしまうと、相続人間で争いに発展する可能性があることに留意が必要です。

まとめ

非上場会社の株式ついては、実際に事業に関与していく方に50%超保有させることが安定的な経営を行っていくためには望ましいと考えます。

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