医療費控除の概要

Q.医療費がかかった場合に、税金が安くなるという話を聞いたのですが、医療費控除の内容について教えてください。

A. 医療費控除は、自分や自分の家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分を所得から差し引くことで、所得税額を減額する制度です。医療費控除を受けるためには、所得税の確定申告を行う必要があります。また、医療費控除は年末調整の対象外になるため、会社員の方等も医療費控除の適用を受けたい場合には、ご自分で確定申告を行う必要があります。また確定申告書を提出する際に「医療費控除の明細書」の添付が必要です。

(解説)

1.医療費控除の概要

医療費控除は、多額の医療費を支払った人の税負担を軽減する制度であり、自分や自分の家族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分を所得から差し引くことで、所得税額を減額する制度です。

 対象となる医療費の要件は以下のとおりです。

  • 納税者が、自己または自己と生計を一にする(必ずしも同居している必要はありません。)配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
  • 1月1日から1231日の1年間の間に支払った医療費であること。(実際に支払ったタイミングで医療費控除の対象に含めます。)

2.対象となる医療費

医療費控除の対象になる主な医療費の内容は以下のとおりです。

・病院や歯科での診療費・医療費(健康診断、美容整形、予防接種、医師への謝礼金等は含まれません。)
・治療や療養に必要な医薬品の購入費用(風邪薬等は含まれますが、ビタミン剤等健康増進のためのものは含まれません。)
・通院や入院のための交通費(原則として、電車やバス等の公共交通機関を利用した場合に必要な費用が含まれます。病状やケガの状況によりタクシーを利用せざるを得ない場合等にはタクシー代も含まれます。なお、自家用車のガソリン代や駐車場代は含まれません。)
・病院や診療所等に入院する際の費用
・治療目的のあん摩、マッサージ、はり、きゅう等の施術費用(疲労回復目的等の場合は含まれません。)
・出産費用(定期検診や分娩費用等)
・介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担金額

3.医療費控除額の計算方法

医療費控除額の計算方法は以下のとおりです。

(実際に支払った医療費の合計額-保険金等で補てんされる金額)-10万円

なお、以下の点に注意する必要があります。

・控除額の上限額は最高で200万円です。
・「保険金等で補てんされる金額」は生命保険の入院費給付金、健康保険の高額療養費、出産育児一時金等です。(保険等で補てんされる金額に対応する医療費は自己が負担したことにはならないため、計算上、医療費の金額から除外されています。)
・上記の計算式の10万円については、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額(例えば、総所得金額等が100万円の場合、100万円×5%=5万円)になります。

4.医療費控除の申請方法

医療費控除の適用を受ける場合には、所得税の確定申告書の提出の際に「医療費控除の明細書」の添付が必要です。なお、医療費の領収書の添付を行う必要はありません。ただし、確定申告期限から5年間、税務署から領収書の提示、または提出を求められる場合がありますので、領収書はご自宅等で保管していただくよう注意してください。

ページの先頭へ
お気軽にお問い合わせください:042-514-9310 電話受付:平日(祝日、土日除く)9:00~18:00
ご相談フォーム・ご予約24時間受付