コラム

株式が分散しているとだめなのか?

2022年9月15日 事業承継

株式が分散していることのメリット・デメリット

非上場会社においては、自社株式が分散していることはよくあります。
ひと昔前の相続対策といえば、株式を親族に分散させることで相続税を抑えることが主流だったからです。
また、株式が親族等に分散していることで、経営に関与していない親族に配当を支払ってあげることができる等のメリットがあります。
しかし、経営者からすると経営に関与していない株主から、経営について口出しされる等のデメリットがあります。

よくある課題

父から子への事業承継のタイミングで株式を子供に集約したいのに、意見の相違等から昔会社を追い出された親族等が株式の買い取りに応じてくれないケースはよくあります。
また、応じてくれるにしても一株当たり純資産金額の数倍等の相当な高値でないと応じないということもよくあります。
親族が保有する株式を一定の金額で買い取ることはありますが、過度に高い金額での買い取りは、多額の資金流出という形で会社にダメージを与えることになります。
また、仮に親族本人との関係が良好であったとしても、相続等により次世代に株式が承継された場合に、関係性が薄くなった親族株主から、本来的な企業価値に近い株価での買取を求められるような場合もあります。

まとめ

このような事例から考えると会社の経営に関与していない親族等に長い間株式を保有させておくことはあまり望ましくないと思います。
ご本人の退職等で事業に関与する可能性がなくなったタイミング等でお互いに合意できる金額で買取できるように交渉することが望ましいです。
なお、親族からの株式の集約の場合には、国税庁が定めた財産評価基本通達にしたがって算出された株価を意識して集約していくことになります。

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